どんな気持ちで迎える 正常な国際感覚と中国観をもつかぎり、建国後初の戒厳令を公布して前回(1989年)のチベット騒乱を徹底鎮圧した当事者でもある胡錦濤・中国国家主席を今この時期に国賓として迎え、日中友好をたたえることなどあり得ないと思うのだが、日本政府や与党首脳の認識は、次元を異にしているようだ。 福田首相は胡錦濤主席を6日から10日までわが国に招き、胡主席は日中首脳会談や日中平和友好条約締結30周年記念式典に臨み、天皇・皇后両陛下に謁見(えっけん)、早稲田大学での講演や日中両首脳の「ピンポン外交」、池田大作創価学会名誉会長との会談、横浜中華街、奈良の法隆寺、唐招提寺への訪問も行う予定だと報じられている。多くの日本国民はどんな気持ちで、この現実を受けとめるであろうか。 私は去る3月20日付本紙「正論」欄でチベット騒乱について書き、「『食』や『環境』、それに『人権』で不安の大きい北京五輪のボ