足利事件で菅家利和さん(62)の釈放が決まった4日午前、事件捜査にあたった元栃木県警幹部らは「捜査は妥当だった」と強気の姿勢を示す一方、「事件のことは思い出したくない」と複雑な表情をみせた。 「えっ、そうなの」。県警職員は庁舎内で菅家さん釈放決定のニュースを見ると、絶句。幹部らが情報収集に追われた。 当時の刑事部長(75)は「無罪が確定したわけではない。問題はこれから。法律に基づいて妥当な捜査をし、自供も得ている。(菅家さんが)やったと信じている」と話した。 別の捜査幹部は、菅家さんの釈放決定を県警関係者から4日朝、電話で知らされたという。自宅前で記者に「何も言うことはない」と繰り返し、いらだちを隠せない様子。「もう思い出させないでくれ」と、記者の質問をさえぎった。