三菱自動車が、販売が振るわない米国での生産打ち切りを検討していることが24日、わかった。SUV(スポーツ用多目的車)を生産しているイリノイ州の工場の売却に向け、他社と交渉に入る。今後は、タイなど成長が見込まれるアジアでの生産拡大に注力する。 米国で生産しているのはSUV「アウトランダースポーツ」1車種のみで、2014年の生産台数は6万4千台。ロシアや中東などにも輸出している。かつては幅広い車種を手がけていたが、今は生産能力の半分しか使っていない。生産をやめても、日本などから輸出して、米国での販売は続ける。 三菱自は12年にもオランダの工場を売却し、ロシアをのぞく欧州での生産から撤退していた。日本の大手自動車メーカーで、欧米両方での生産から撤退するのは初めてだ。(田中美保)