北欧のスウェーデンといえば、高福祉で知られる国だ。人権意識も高い。例えば日本では、知的障害のある人が子どもを持とうとしても、親や周囲から止められることが珍しくないが、スウェーデンでは赤ちゃんロボットを使って育児を疑似体験してもらった上で、自己決定を促すという。知的障害者の子育て支援に関する公的な専門機関もある。では、知的障害者もどんどん子どもを産んでいるのかというと、それはちょっと違うようだ。現地の専門家に話を聞くと、驚くことばかりだった。(共同通信=市川亨) ▽育児の大変さを知ってもらう 本物の赤ちゃんのように泣き声を出し、おむつ交換や授乳などの行動を無線通信で記録する。スウェーデンで「ベビーシミュレーター」と呼ばれる米国製の赤ちゃんロボットだ。 泣くタイミングや利用者が取るべき行動を事前に設定。数日間使ってもらい、適切に世話ができたかどうかコンピューターが評価する。育児を前もって練習で