『メメント』のあるシーンにおいて、主人公のレナード(ガイ・ピアーズ)は、自らの記憶障害についてモーテルのフロント係に説明する。 レナード:私には障害(コンディション)があるんだ。 フロント係:障害? レナード:記憶がないんだよ。 フロント係:記憶喪失か? レナード:いや、違う。短期記憶がないんだ。自分が誰なのかということはわかっているし、自分のことなら何でも知っている。だがケガを負って以来、新たには何も記憶することができないんだ。何もかもが消え果ててしまう。長く話しすぎると、話がどう始まったのか忘れてしまう。私たち[=ピアーズとフロント係]が前に会ったことがあるかどうかもわからないし、次に会ってもこの会話は覚えていないだろう。だから私がヘンに見えたり無礼だったりしたら、それはたぶん……。 [レナードはフロント係が珍虫を見るように彼を凝視していることに気づく。] レナード:前にも君にこの話を
【2月7日 AFP】今年で死後34年を迎えるフランスの哲学者ミシェル・フーコー(Michel Foucault)が著した「性の歴史(The History of Sexuality)」シリーズのうち、未発表だった第4巻「肉体の告白(Confessions of the Flesh)」が今月9日、ついに出版される。 未完のまま残されていた同著では、「同意」をめぐる繊細な問題についても論じられており、遺著管理者らはフーコーの考えを世に出す機が熟したと判断。仏出版社ガリマール(Gallimard)から出版される運びとなった。 編集者のフレデリック・グロ(Frederic Gros)氏は、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を告発する「#MeToo(私も)」運動の高まりを受け「この独創的な大作の出版にふさわしい時が訪れた」と説明した。 フーコーが同書の執筆を開始したのは1980年代初頭。フーコ
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