――この数年間のいじめを巡る状況をどう見ていますか。 講演で各地の学校を回っていると、SNSによっていじめが深刻化していると感じます。誰が自分を無視しているのかがすぐにわからず、いじめる側がどんな会話をしているのかと想像させられ、より心に深い傷を負うのです。 ――いじめ防止対策推進法ができて3年になりますが、先生たちの対応は変わりましたか。 いじめの対応をめぐる先生たちの技能は向上していないように思います。多くの先生と話をしていてわかるのは、法律ができ、「早期発見」を心がけるようにはなってきましたが、発見したときの対応を学んでいないということです。 ――具体的にはどういうことですか。 いじめの情報に接すると、素直に認めるはずがないのに、加害者にも被害者にもいきなり事実確認をしてしまう。加害者の子が仮にいじめを認めたとしても、「あの子だって」と言われれば、「あなたにも何か原因があるんじゃない