ドイツで26日に投開票される連邦議会選挙(総選挙)で、中道左派の社会民主党(SPD)が2002年以来の第1党になる勢いだ。有権者が重視する環境・気候変動対策は、環境政党以外でも各党が力を入れており、首相候補の資質を含めた総合力で、他党を引き離している。(ベルリン=野島淳) 演説は地味なのに…ショルツ氏が人気 小雨が降った8月16日夜。ベルリンの会場に集まった数百人の前で、SPD首相候補のショルツ氏(63)は落ち着いた声で語った。 「重要なのは市民一人ひとりの仕事に対する敬意と評価。私が率いる政府の初年度に最低賃金を12ユーロ(約1560円)にしたい」 重視する社会格差の是正のほか、7月の大洪水の復興支援、新型コロナウイルスや気候変動への対策などを淡々と述べた。 ショルツ氏の演説は地味だ。しかし、公共放送ARDの世論調査では、「直接首相が選べるならば」の問いに43%がショルツ氏を挙げた。メル