日本人には理解しにくいが、「正統性」は韓国の政治で最も大切な儒教的価値観である。南北朝鮮は、国家の正統性を巡る戦いを続けてきた。中国の習近平国家主席は7月3日と4日に韓国を訪問し、韓国の正統性を支持した。同国家主席は、中国と韓国が共に日本帝国主義と戦った仲間であると述べ、「中韓抗日記念式典」を提案した。これは「中韓歴史認識同盟」構築を意味する。 中国と北朝鮮は、朝鮮戦争で共に戦った同盟国であった。韓国は、長い間「中朝共同の敵」であった。 ところが、中国の習近平国家主席は、これまでなら、決してあり得ない外交を展開した。この1年数カ月で、韓国の朴槿恵大統領とは5回の首脳会談を行った。一方、北朝鮮の金正恩・第1書記とは、一度も首脳会談を行っていない。そのうえ、韓国を先に訪問した。中国は、南北朝鮮との「三角関係」で、明らかに韓国を大切にしている。そして、北朝鮮の正統性を意図的に否定している。 習近