カラスの巣を残しています――。中部電力が、そんな標識を電柱にはっている。巣は停電の原因となり、2月から7月にかけては社員が対策に追われる日々だ。その巣を、わざわざ残すわけは? 名古屋市守山区の交差点付近にある高さ約14メートルの電柱。「カラスの巣 残置中」と知らせる緑色の標識が巻かれていた。見上げると、カラスの巣。今年3月に見つかり、中電が標識を設置したという。 カラスは、雨にぬれた木の枝や針金など電気を通すものを巣作りに使う。電線に触れることで漏電やショートを引き起こし、停電につながる恐れがある。 名古屋市と近隣35市町村を管轄する名古屋支店は、昨年約100件の停電があり、そのうち約10件がカラスの営巣によるものだった。今年もすでに8件(6月5日現在)あり、4月上旬には名古屋市北区と西区で計約1400戸の停電があった。 名古屋支店では、素材に針金が使われるなど停電リスクの高い約2100カ