映画評論家の双葉十三郎(ふたば・じゅうざぶろう、本名・小川一彦=おがわ・かずひこ)さんが昨年12月12日午前8時58分、心不全のため亡くなっていたことが15日わかった。99歳だった。告別式は近親者で済ませた。 東京・港区生まれ。高校時代から映画雑誌への投稿を始め、「キネマ旬報」「スタア」などに映画評が掲載された。東大経済学部を卒業後、1934年住友本社に入社したが、映画への思いを断つことができず、45年に退社、映画評論家として独立した。 カットごとに分析する本格的な映画批評で、多くの映画ファンを引き付けた。著書に「映画の学校」「アメリカ映画史」などがある。映画雑誌「スクリーン」に「ぼくの採点表」を52年から長期連載し、8000本以上の映画批評が6冊の評論集にまとめられた。ミステリー、探偵小説にも詳しく、レイモンド・チャンドラーの訳書もある。2001年、菊池寛賞受賞。