安保法案の強行採決の話を見て、どうやって今の自民党がああなったのか、形式面・構造面での必然性を、雑でもいいから整理して把握しておきたいと思った。 古き良き自民党? かつての自民党は、野党への配慮があったのに、もっと良識のある議員がいたのに、自浄作用があったのに、という嘆きを最近よく見る。しかしそれらは何も、偶然良識のある人達が自民党に集まって自主的に抑制的な運営をしていたわけではなく、ある諸条件の中の損得勘定のバランスの上でそうなっていただけだ。その条件の中で最も支配的だったのが、中選挙区制だったと理解している。 中選挙区制は一つの選挙区から複数人を選出する選挙制度だ。その制度の中で衆議院である党が多数を占めようとするなら当然、一つの選挙区に同じ党の人間を複数人立候補させなければならない。つまり一つの選挙区で同じ党の人間が戦うということだ。戦うというのは他者と差別化して自分の優位をアピール