カフカ『変身』は、ひきこもり小説？朝起きたら、自分が巨大な毒虫に変わっていることに気づいた－有名な、カフカの『変身』です。100年近く前の小説になります。 先日、スペイン語圏のサイトを見て回っていたところ、この作品を引き合いに出して「カフカはひきこもりを予言していた」（Kafka vaticinó el hikikomori）とする解釈を見つけました。これは、日本の愛知万博でも「変身」を公演した La Fura dels Baus というグループの解釈です。出所は、Y ahora qué という学生向け情報サイトの "Hikikomori desde hace 100 años" という記事です（http://www.yaq.es/node/559）。 そこで、私も『変身』を手にとってみることにしました。様々な訳者によるものが出版されていますが、私が読んだものは岩波文庫から出ている、山下肇・山下萬里訳のものです。フィクショ
