◇米のNGO確認 太平洋のミクロネシア連邦チューク諸島(トラック諸島)で第二次大戦末期に沈没した旧日本軍の給油船「宝洋丸」から、積み荷と思われる油が流出していることが、米国の環境NGO(非政府組織)「アースウォッチ」の調査で判明した。流出量や船内の残存量は不明で、ダイビングスポットとしても有名な世界最大級の環礁地域に海洋汚染が広がる恐れがあると警告している。【山田大輔】 調査は、オーストラリアの海洋考古学者、ビル・ジェフリー博士らがチューク州政府の協力を得て7月から実施。8月31日、チューク環礁の海底に沈む宝洋丸の船底中央から油滴が漏れ出し、海面に長さ5キロにわたって漂っているのを見つけた。宝洋丸の約5キロ南東に沈む旧日本海軍の潜水母艦「りおでじゃねろ丸」からも小規模な流出を確認。近く州政府に報告する。 沈没から60年以上たって流出が確認されたのは、船体の腐食が進んだためとみられる。今後、