WILLCOM CORE XGPの最大伝送速度は20.5Mビット/秒である。今回はXGPの伝送速度に関する技術を解説しよう。 XGPの下り方向の伝送速度は、端末における電波の受信環境によって変わる。電波環境がいいほど,より高速なデータ伝送が可能だ。具体的には変調方式や誤り訂正の符号化率を変化させることで,その時々の電波環境で最も高速な伝送方式を選択する。これはモバイルWiMAX,LTEといった他のモバイル・ブロードバンド規格も同様だ。 XGPで採用している変調方式と誤り訂正の符号化率の組み合わせを表2-1にまとめた。XGPでは上りと下りで全く同じ組み合わせを採用していることがわかる。なお,上りと下りで伝送速度の違いがあるのは,下りではガード・キャリアと呼ぶ干渉防止のための帯域もデータ伝送に使うしくみ(PRU連結)を採用しているからである。このしくみについては次回解説する。