日本における殺人事件は、長期的な傾向としては着実に減っています。法務省が毎年公開している犯罪白書を見てみると、殺人事件の認知件数は昭和29年(1954年)の3081件をピークに右肩下がりになり、令和元年(2019年)には950件にまで減少しています。 一方、統計を詳しく見ていくと、殺人は「親族同士の事件」が全体の半数以上を占めていることもわかります。つまり、殺人事件が起きたら50%以上の確率で犯人は親族、ということが言えるのです。 中には親が子供を虐待して殺した、介護に疲れ果てた子供が親を手に掛けた……といった事件も含まれますが、そうしたケースもあわせて「殺人事件の多くは“家”で起きる」というのが、現在の日本の状況なのです。今回は、そうした中で非常に印象深い事故物件をいくつかご紹介しましょう。(全2回の1回目/後編に続く)