「…なるほど、御社はそんな経緯で基幹系システムを刷新したんですね。総額はいくらだったんですか?」「そこは非公開で」「競合のA社は3000億円で刷新しましたよね、確か」「いやいや、そこまではかかってないですよ…」 「先ほどお聞かせいただいた工夫が効いてA社の8割ぐらいってところですかね」「いや言えませんよ。でもそれより下です」「なるほど、でも半減は行きすぎですよね」「さてどうでしょう」――。 記者はたいていこんなやりとりで何かにつけて取材先から「数字」を聞き出そうとする。プレスリリースや決算資料などで企業が自社システムの刷新などを公表するケースがある。だが多くは5W1Hの情報が足らず、何より「お金」の情報が少ない。だから記者は取材して、公表情報に付加価値をつけて記事にする。 システム部門の評価とは 「数字が独り歩きするのが嫌なんですよ」。しつこい記者を制して、取材先はよくこう口にする。数字は
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