忠犬ハチ公が、ご主人に再会――。そんな光景をかたどったブロンズ像(高さ約1・9メートル、重さ約280キロ)がハチ公の死後80年となる8日、東京大学農学部(東京都文京区)の正門近くの敷地内に建てられた。 飼い主の上野英三郎博士は旧東京帝大教授の農業土木学者。博士が1925年に急死した後もハチ公は約10年間、東京・渋谷駅に通って帰りを待ち続けたとされ、同駅前には1頭だけで座るハチ公像がつくられた。ハチ公を再び上野博士と一緒にさせてあげようと、東大の教員が像づくりを計画し、個人や企業から1千万円以上の寄付を集めた。 除幕式には約500人が参加し、手を伸ばす上野博士と抱きつくハチ公の姿を写真におさめた。名古屋市の飲食店経営戸谷(とや)真理さん(30)は「90年ぶりにやっと会えた。良かった」と感激していた。