知らないだろうけどね まごうことなきお母さんなんだよ、本当に あなたはね、実際に生きづらさを抱えているね 小さい頃から、ずっと、今も まあそうだろうなあ、って思うくらいには、育てにくい子だった 年取ったらだいたい忘れるけどね いいことばっかり覚えてるよ 早く寝てくれた日の寝顔のこととか 爪を切るときの湿った手のひらとか 玄関先でこけて鼻血出したこととかね だけど本当に手がかからない日だってもちろんあったんだよ あなたに手をかけなくていいことが、自由だということがすごく嬉しかった日もあった でもねえ 普通の人のなかで生きていかなきゃいけないくらいには頑張り屋さんで 普通の人としては生きていけないくらい、歪な感性を持ってうまれてきたあなたが どうしようもなく生きづらいあなたが、死んでしまいたいと言うのなら、お母さんに手をかけさせてくれなきゃ困るんだよ お母さんより大きくなったあなたでも、もしも
左利きに対する偏見が生まれ解消に至るまでの複雑な歴史を、テーブルマナーの変化や絵画の分析など、さまざまな角度から語る。 著者
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