草津町の国立ハンセン病療養所「栗生(くりう)楽泉園」の回復者らから、聞き取った内容をまとめた「入所者証言集」がこの夏に完成した。証言集の制作を熱望してきた回復者の谺(こだま)雄二さん(77)も編著者に名を連ねている。 高崎健康福祉大(高崎市)の学生たちがテープ起こしに協力。谺さんは十一月に開かれた同大学園祭に講演会の講師として招かれ、学生たちは展示で証言集の研究成果を発表するなど、証言集を縁に交流も深まった。 証言集は回復者五十人の声が三分冊、計約千四百ページにわたってつづられた大作。関連記事を三回書いたが、紹介し切れていない。中でも伝えておきたいのは、ハンセン病、在日朝鮮人という「二重の差別」を受けた回復者の告白だ。