危機下でのリーダーシップとは何か ──「平時への移行」という考えでは政府も尾身さんも同じ方向を向いたはずなのに、岸田首相と専門家の歩調も合わなかったのはどうしてですか。 「社会を動かすことへの優先順位が高まってくると、政治家はグリップを強める傾向があります。リーダーシップを取るべき時期に来たという思いが強まったのではないかと感じました。 われわれ専門家としてはそうした技術的なことがらより、もっと本質的なところで政治のリーダーシップを期待していました。この第3のフェーズは、実に複雑な現実に直面していたからです。 第1フェーズの頃は、人々が誰しもウイルスを恐れ、不安を共有していて、接触8割削減のような強い対策にもみんなから一定の理解を得られました。ところが第2、第3のフェーズへと移っていくうち、感染を通じて亡くなる命と同様に、経済活動が止められていることを通じて亡くなる命も看過できないという議
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