「ウソは泥棒のはじまり」だと言う。 もちろん、ウソは悪いことだ。 僕だって、つきたくも、つかれたくもない。 しかし、「絶対にウソをつくことが許されない世界」というのは怖くないだろうか。 息子は、3歳になった。 家の中でかくれんぼをしていて、「あっ、○○くんだ!」と僕が言うと、息子は「ちがいます。ライトニング・マックイーンです!」と答えた。 このウソつき! でも、僕は、息子がウソをつけるようになったことが、少しだけ嬉しかった。 こいつは、この世の中で生きていくための、小さな一歩を踏み出したのだ。 もちろん、すべてのウソを許しているわけじゃない。 人を傷つけるようなウソには、「そんなウソをついちゃダメ」と言っている。 絶対に、ウソをつかない子供たちがいる。 その子供たちは、「ウソをついてはいけない」という宗教の教義に忠実な親に育てられてきた。 ウソをついたら、「地獄に堕ちる」と、徹底的に罰を与