2度目の緊急事態宣言が近畿圏にも拡大されることになった。理由は「医療崩壊」を防ぐため、である。だが、東京慈恵会医科大学で対コロナ院長特別補佐を務める大木隆生氏(58)は、こうした見方に真っ向から異を唱えるのだ。 *** たとえば日本医師会の中川俊男会長は、1月6日の記者会見で「現実はすでに医療崩壊」と言い切った。多くのメディアや専門家も同様に訴える以上、国民が怖がるのも当然だろう。 だが、大木氏の考えはこれと異なるようだ。 「私は以前から、新型コロナの患者でも、そうでない患者でも、救える命が救えなかったというのが医療崩壊の定義だと考えています。昨年春に北イタリアで起きた、人工呼吸器の不足にともなう命の選別こそが医療崩壊です。 一方、日本はもう医療崩壊している、と明言した日本医師会の中川会長は、適切な医療が適切なタイミングで受けられなければ医療崩壊だ、と定義しましたが、違うと思います。日本の