関東大震災を教訓に建てられ、80年以上、都心の風景に溶け込んできた“名物ビル”が今年、取り壊されようとしている。後年は漫画家や画家らも好んで居住。レトロな魅力が詰まったビルから創作意欲を得ていた人も多く、「この空間を残したい」と惜しむ声が上がっている。(産経デジタル 城野崇) 東京メトロ九段下駅(東京都千代田区)を出てすぐ、靖国通り沿いに、3階建ての古いビルがひっそりと建つ。通称「九段下ビル」だ。いかにも古びた様子で、ネットまでかかっている。「3.11にもびくともしなかったんだよ」。最後の住人となる画家、大西信之さん(55)は東日本大震災にも耐えた強固さをたたえた。 ビルが完成したのは昭和2(1927)年。関東大震災で失われた住宅や店舗をまとめ、地震や火事に強い鉄筋コンクリート製の建物とした。同潤会アパートと同様、関東大震災後に作られた「復興建築」だ。 土地の権利が建て替え以前の区分けのま
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