ソロデビュー40周年を迎えた大貫妙子が、それを記念したボックスセット『パラレルワールド』を発表する。山下達郎らとのシュガー・ベイブでキャリアをスタートさせ、1976年にソロデビューアルバム『グレイスカイズ』をリリースすると、その後も坂本龍一や小林武史といったプロデューサーとのコラボレーションで数多くの名作を発表。近年では坂本とのひさびさの共作となった『UTAU』が大きな話題を呼び、小松亮太との『Tint』では『日本レコード大賞』の優秀アルバム賞を受賞している。また、現在の「シティポップ」の流行もあって、若いミュージシャンとの会話のなかで、彼女の名前が挙がる機会が増えているのも確かだ。 今回の取材では「今だからこそ訊きたいこと」を様々な角度から質問すると、大貫はその一つひとつに対して丁寧に(ときに大胆に)答えてくれた。そこから浮かび上がってきたのは、メロディーとサウンドに対する絶対的な信頼の