緑豊かな里山で暮らす高木正勝が自宅スタジオの窓を開け放ち、鳥や虫たち、風や雨とセッションした記録が、2017年から「音の日記」のようにネット上で公開されてきた。それが、『Marginalia(マージナリア)』プロジェクト。2017年の『山咲み』が自然と共生する隣人たちとの交流で生まれた福音だとすれば、『Marginalia』は彼自身がいまいちばん近く感じる存在=自然との、言葉を超えた対話だろうか。 自宅を訪ねてのインタビューで語られた言葉は、自然の恵みと脅威への向き合い方から、「関係性がきちんと入っている音楽」への想い、また商業性とは離れた『Marginalia』の試みを始める上での覚悟まで、多岐にわたった。 自分の暮らす場所を「いつか自然に還っていくもの」ととらえると、自然の恩恵も脅威も一緒くたで、はっきりした区別はないとも言えます。 —今日(取材は2018年9月6日に実施)は、未明に北