BOOK REVIEW 『僕に殺されろ』1巻 ブルース・リーを崇拝している少年殺人鬼の物語。うぐいす祥子のホラー世界は確実に進化している ホラーコミックの中でも耽美的な雰囲気とコミカルな登場人物の相関性が見事なうぐいす祥子。単行本としてまとめられた最新作『僕に殺されろ』は、前作『ときめきのいけにえ』では古典的なと言って良いほどの少女恋愛漫画と邪教集団、殺人鬼が絡むので読み解く切り口が多かったそうか、3巻で終了してしまった(この怪奇版『リリィ・シュシュのすべて』に現在の読者が追いつくためにはもう少し時間が必要なのかもしれない)。その前に長期連載された『死人の声をきくがよい』が秋田書店のシビアな営業判断を抑え込み、10巻を超えるロングセラーになったのは、危機を知らせる美少女の幽霊、はちゃめちゃなオカルト研究会の面々の個性、そして何より作品中に描かれた様々な怪異がクトゥルー神話的に結合し、世