すずき・けん 明治大現代中国研究所長、北海道大名誉教授。法学博士。専門は中国法、台湾法、アジア法。1960年生まれ。北海道大法学部を卒業後、同大大学院法学研究科で研究。同大教授などをへて2015年に明治大教授に就任、翌年から現職。 ――中国政府は袁さんをスパイ罪で起訴した、と発表していますが、詳しい内容はわかりません。いったい何が問題視されたのでしょうか。 袁さんがしていた研究は1940~1950年代の東アジアを扱っていて、特に中華民国が台湾に移り、日本と講和を結んだころの歴史研究なんです。 中国政府にとってはデリケートな台湾問題に関係しているわけです。推測でしかないのですが、当然、研究上の資料収集などもそのあたりに関係するでしょうから、それがスパイの容疑になったのではないかなと想像します。 実は今、特に歴史研究者は中国当局から警戒されており、危険が高まっていると思います。実証的にやる研究