2010/2/14 バレンタインデー バージョン 0、扉の言葉 学ぶということを、学校はもとより教育そのものからも切り離すこと、これがなされたとき、教師も子どもも若者もはじめて解放されるといえる。親も、解き放たれる。何からか? 他律支配と他律依存の規範社会からである。けだし、この自律の自由は国家にとっては最大の脅威となる。それは、国家が無用になることにかかわるからだ。 (山本哲士『教育の政治 子どもの国家』文化科学高等研究院出版局、2009年、153頁) 1、はじめに イヴァン・イリッチIvan Illich[1](1926—2002)の著書『脱学校の社会』(原題:The Deschooling Society)。この書は、脱学校論を説いたことで有名な著書である[2]。「就学義務が大多数の人々の学習する権利をかえって制約している」(『脱学校の社会』1頁)点から、学校を廃止し、新たな教育空間