『ポケモン』の「ここはどこ? 自分は何?」、加えれば「自分はなぜ生まれてきたのか」への自分自身への問いかけは、本人が意識的であろうと無意識的であろうと、若いころは誰もが心の中に持っている自問自答だと、少なくとも僕は僕だけの独断と偏見だとしても考え続けていたようだ。 ようするに「自己存在」への疑問である。 子どもというものは勝手なもので、僕などはいわゆる中流家庭の長男として生まれたが、今の歳になると、普通の家庭の子供として裕福という意味ではないが、尋常ではない母子愛、父子愛で育てられた事がよく分かったのだが、子供のころはそれが当たり前だと思っていた。 こんなおじさんになって、それを気がつくのはとても、恥ずかしいが、なにせ僕の子供が40代の時に初めてできたので、子供に対する親の気持ちが、理屈でなくてやっと感性で分かってきたのである。 僕に対して両親が「自己存在」へ疑問を持つような子に育てたくな