成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げ、グリーン社会の実現に注力している菅政権は、2050年までに「カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言している。 カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現のため、大きな貢献が期待されているのが「水素」であり、中でも「グリーン水素」が注目されている。改めて、その実態と可能性を探っていきたい。 脱炭素化の世界的なキーワードは「カーボンニュートラル」 日本では脱炭素社会とともに使われることが多い「カーボンニュートラル」とは、地球温暖化の主な原因となる二酸化炭素排出量を抑制するための概念。「ニュートラル(=中立)」という言葉からわかるように、これらは「カーボン(=炭素)」の排出量をゼロにしようというものではない。 二酸化炭素の「生産などによる排出量」と「植物の光合成などによる吸収量」を同量にし、実質的な二酸化炭素排出量をプラスマイナスゼロにすること