私たちは日本語を使って生活しているが、日本語を使いこなしているかどうかはアヤシイところだ。読点(、)を打つ正しいタイミングとか、角の立たない表現テクニックとか、誰もが知っているようで知らない、もっと便利に活用できる余地がたくさんある。それを教えてくれるのが、『辞書編纂者の、日本語を使いこなす技術』(PHP研究所)の著者の飯間浩明さんだ。『三省堂国語辞典』の編集委員、いわゆる「辞書編纂者」という仕事をしている著者が、もっと日本語を使いこなし、私たちのコミュニケーションをスムーズにする方法を本書で紹介している。 ■読点(、)はどのタイミングで打つのが正しいか? 読者は文を書くとき、読点(、)をどのタイミングで打っているだろうか。なんとなく好きなタイミングで打っている人もいれば、独自ルールを決めて打っている人もいるだろう。著者によると、読点には「文の骨組みをはっきり示す」という役割があり、以下の