学習塾通いで児童・生徒を消耗させる最大の問題は、学習内容がやさしすぎること byryo-iStock. 首都圏では、中学入試の対策に「SAPIX」に行き、合格して中高一貫の受験校に通うようになると「鉄緑会」に通って東大を目指すというのは、別に今に始まったことではありません。ですが、そのような優等生向けの塾が、進学のエリートコースになっていることについて「塾歴社会」というネーミングがついたことで、あらためて話題になっているようです。 確かに、この「塾歴社会」には問題があります。 まず、小学校にしても、中高にしても「その学校で正規の教育課程を一生懸命やれば、それが評価され、その評価が上級学校入学の許可につながる」ということが起きず、学校の他に「塾」というのが存在するという構造が、無駄であり、消耗だからです。 結果として、経済格差が再生産されて階層が固定化され、人材の活力がどんどん乏しくなるとい
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