人間学序説--輪廻思想を中心にして (共同研究 綜合仏教研究所研究助成中間報告) / 輪廻思想研究会 大正大学綜合佛教研究所年報. (通号 19) [1997.03] このような論文があって、輪廻思想をまじめに研究しようというものであるらしい。 この中で、キリスト教神学者の野呂芳男が、輪廻転生を承認し、それを組みこんだ神学を考えていることを知った。野呂氏の名は、ウェズレー研究者としては知っていたのだが、輪廻神学を構想していたとはうかつにも知らなかった。 いうなれば野呂は輪廻転生・再生(reincarnation)を最後の審判すなわち最後の救済にいたるまでの期間、神のアガペーのもとで不信仰者が信仰篤き者になるまでの、何度も何度も生じて滅する神より課せられたトレーニングとして積極的に捉えるものである。 つまり、サムサーラとカルマは、神が万有を最終的に救済していくための訓練だというのである。 こ