数学におけるガトー微分(ガトーびぶん、英: Gâteaux differential, Gâteaux derivative)は、第一次世界大戦において夭折したフランス人数学者ルネ・ガトー(英語版)に名を因む、微分学における方向微分の概念の一般化で、バナハ空間などの局所凸位相線型空間の間の函数に対して定義される。バナハ空間上のフレシェ微分同様に、ガトー微分は変分法や物理学で広く用いられる汎函数微分の定式化にしばしば用いられる。 他の微分法と異なり、ガトー微分は必ずしも線型でないが、ガトー微分の定義にそれが連続線型変換となることも仮定することがよくある。文献によっては、例えば Tikhomirov (2001) は(非線型かもしれない)ガトー微分係数 (Gâteaux differential) と(必ず線型である)ガトー導函数 (Gâteaux derivative) をはっきりと区別する