トンパ文字(トンパもじ、中国語:東巴文)またはトンバ文字とは、中国のチベット東部や雲南省北部に住む少数民族の一つナシ族に伝わる、象形文字の一種である。ナシ語の表記に用い、異体字を除くと約1400の単字からなり、語彙は豊富である。現在、世界で唯一の「生きた象形文字」とされる[1]。 2003年、ユネスコが主催する世界記録遺産にも登録された。 ナシ族の中でもごく少数の「トンバ」と呼ばれる司祭によってのみ受け継がれている文字である。中国語での音訳は「東巴(Dōngbā)」。 トンバ同士の間で代々継承されてきたため、社会全体での標準化がなされておらず、異体字も多い。また、口語をそのまま書き記すものではなく、内容も宗教や伝承に関するものが多いため、真の意味で理解するのはとても難しいとされる。主に毛筆で書かれる。世界の文字の中でも唯一色によって意味を変えうる文字であり、黄色はお金、黒は悪などの意味合い