●論理学に関する無理解のサンプルについて 68 の指摘● 三浦俊彦 2006 年8月 20 日 以下は、石飛道子著『ブッダ論理学 五つの難問』(講談社)についての、初歩レベル での指摘です。 現代論理学への無理解というだけでなく、端的に、〈非論理的な作文のサンプル〉と して、素朴なわかりやすい例と言えます。 論理教育の専門家のかたにとっては、理想的な教材となることでしょう。 なお、ところどころで担当編集者への批判も書いてしまいました。著者が真面目に書 いた本であればあるほど、明らかな矛盾や混乱について制作レベルでチェックが働かな いと、向学心ある読者の福利に深刻な影響が及ぶことに鑑み、あえて一言させていただ いた次第です。 『ブッダ論理学』の記述内容の症状 ――標準論理学の「ならば」を日常言語に近づけて変革する試みは、因果関係や内容 的関連や時制を考慮に入れた関連論理学や様相論理学