どうも、佐野です。いよいよシリーズのゴール「代数拡大の実装」に向けて準備が整ってきました。今回は多項式環 $K[x]$ を作り、整数環 $\mathbb{Z}$ とのアナロジーで剰余環が作れることを見ていきます。 目次: 数とは何か? 群・環・体の定義 有理数を作ってみよう 時計の世界の「環」 小さな「体」を作ろう 多項式は整数によく似てる ← イマココ 代数拡大で数を作ろう! 多項式の型を作る シリーズ初回「数とは何か? 」で複素数体 $\mathbb{C}$ は「代数方程式が必ず解を持つ数体」として導入しました。代数方程式とは「多項式 $= 0$」の形でかける方程式のことで、多項式 (Polynomial) とは: という式のことです。中学では$2$次式を習い、そのグラフが放物線となることを見たと思います。 多項式を決めるのは次数(degree) $n$ と $n + 1$ 個の係数の