特攻隊を題材にした創作落語「明日ある君へ〜知覧特攻物語」を熱演する落語家の桂春蝶さん=7月10日午後、奈良県王寺町(南雲都撮影) 先の大戦で命を散らせた旧日本軍の特攻隊員を「創作落語」に仕上げた落語家がいる。知覧基地(鹿児島県南九州市知覧町)から飛び立つ隊員を描いた「明日ある君へ~知覧特攻物語~」を演じる三代目桂春蝶(しゅんちょう)さん(40)。今年は戦後70年。「戦争を経て平和がある現代の命の尊さ」を伝えたいという。(今村義丈) 「日本の未来をお前に託したぞ! この国の未来をよろしく頼むぞ!」 7月10日、奈良県王寺町。高座に上がった春蝶さんが演じたのは、命と引き換えに出撃する特攻隊員が現代の若者に思いを託す場面。観客は涙をぬぐって引き込まれた。 死に際にある祖父をベッド脇で看病しながら眠り込んだ現代の若者が目を覚ますと、周囲は飛行場。そこへ軍服姿の隊員が近づき、語りかけてくる-。約30