2021年10月31日のブックマーク (10件)

  • 十三日目『稲生平太郎妖怪記』(『稲生物怪録』) - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    (空から真っ赤な石が落ちて来る) 新日古典籍総合データベース ※この記事では、国文学研究資料館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています。 (CC BY-SA 4.0) ※画像は拡大できます。 【原文】 十三日の夜は、心易き同士《どし》集まり、語りける様《やう》は、「西江寺《せいごうじ》の什物《じふもつ》、佛判《ぶつはん》と言へる者有り。諸/\の災難の払いになる由、借り持て居間に掛けばや。如何に」と申し合わせ、取りに遣はしける。 使ひにハ出で行くに、何とやらん、足の縮む様《やう》にて、到る事叶わざりけれバ、平太郎、「自《ミずか》ら参らん」とて、集まりし人〻にハ、「留主《るす》し給はれ」と頼ミて出で行きけるに、其の中に有りし平五郎と言へる者、氣強き男なれバ、「供《とも》セん」とて、同じく出で行きぬ。 然《しか》るに、道なる薮の傍《かたへ》を行きけるに、空より稲の如くに光りて、真赤き石

    十三日目『稲生平太郎妖怪記』(『稲生物怪録』) - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
    Kitajskaya
    Kitajskaya 2021/10/31
    平太郎は勇気と男気もあるので、妖怪が出て怖いのに、皆皆が妖怪そっちのけで集まるんでしょうね。羨ましい限りです。今回も赤い石が空から降ってくるなど、この作者にはいくつバリエーションがあるのでしょうか。
  • 十二日目『稲生平太郎妖怪記』(『稲生物怪録』) - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    (葛籠が化けたヒキガエル) 新日古典籍総合データベース ※この記事では、国文学研究資料館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています。 (CC BY-SA 4.0) ※画像は拡大できます。 【原文】 十二日には化け物の仕業と見へて、居間の四角の柱に貼り置きし祈祷札《きとうふだ》に輪の如く墨を塗りて消しけるとぞ。 扨、夜に到りてハ、物置の中より大いなる蟇蛙《ひきがへる》飛び出て、平太郎が寝《いね》て有りし上に飛び上がりける。 其の蛙の胴を見れば、組紐《くみひも》の結びて有りし故、平太郎も「葛籠《つゞら》の化けし物よ」と心得、そのまゝ此の紐を捕らへて離さず臥せけるが、夜明けて見れバ、臥したる腹の上に葛籠を乗せて、紐を捕らへて有りけるぞと。 【現代語訳】 七月十二日には、居間の四角の柱に貼っておいた祈祷札《きとうふだ》の文字が、輪のように丸く、墨で塗りつぶされて消してありましたが、化け物の仕

    十二日目『稲生平太郎妖怪記』(『稲生物怪録』) - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
    Kitajskaya
    Kitajskaya 2021/10/31
    寝ているところに大きなヒキガエルが乗ってくるには普通の人なら恐怖に慄くのに、さすが平太郎、その正体を知って素早く対処するなど素晴らしい。イラストですが、ウルトラマン出てくる怪獣ガマクジラに似てますね。
  • 十一日目『稲生平太郎妖怪記』(『稲生物怪録』) - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    (勝手に動き出す、すり鉢とすりこ木) 新日古典籍総合データベース ※この記事では、国文学研究資料館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています。 (CC BY-SA 4.0) ※画像は拡大できます。 【原文】 明くる十一日の夜は、一族の者、咄《はなし》に来たりけるが、一人の刀の鞘《さや》を化け物に隠され、皆〻尋ねし處に、更に見へず。 平太郎、やがて其の事を高く云ひて怒りけれバ、鞘、天井より落ちにける。 「実に化け物も平太郎にハ恐るゝなるべし」と申しける。 扨、鞘を得て後ハ、何《いず》れも喜び帰りしに、跡にて臺所の方に擂鉢《すりばち》、擂粉木《すりこぎ》、我と我が出でゝ、擂り廻り/\、間の内を廻りけるとぞ。 是は又、珎《めず》ら敷《しく》、可笑《おか》しき事にこそ。 【現代語訳】 翌、七月十一日は、親戚の人たちが話しにやって来たのですが、一人の刀の鞘《さや》を化け物に隠され、みんなで探し

    十一日目『稲生平太郎妖怪記』(『稲生物怪録』) - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
    Kitajskaya
    Kitajskaya 2021/10/31
    平太郎の剣幕に恐れをなした妖怪、でも面子が立たないので、すり鉢とすりこ木がへんてこな動作をするなど、吉本新喜劇を見ているようでした。この物語には喜劇的な要素もあるのですね。ますます好きになりました。
  • 十日目『稲生平太郎妖怪記』(『稲生物怪録』) - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    (ニセ貞八の頭が割れて赤子が出てくる) 新日古典籍総合データベース ※この記事では、国文学研究資料館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています。 (CC BY-SA 4.0) ※画像は拡大できます。 【原文】 明くる十日の宵の内も、馴染《なじ》ミの人にて貞八と言へる者に変じ来たり。 臺所にて物語せし内に、其の貞八が頭、二ツに割れ、猿の如き赤子、二ツ三ツ出しに、後は一所になりて、一ツの大入道《おほにうどう》になり、やがて平太郎に掴み付かんとせし故、平太郎も捕らへんとするに、疾《と》く消え失せける。 平太郎ハ恐るゝ心も無かりけるが、動《やや》ともすれバ、馴染ミの人と化け来たり、惑はさるゝには困りぬるとぞ。 【現代語訳】 翌、七月十日の日が暮れて間もない頃も、妖怪は、平太郎と親しい貞八《さだはち》という者に化けてやって来ました。 台所で話をしていると、その貞八の頭が二つに割れ、猿のような赤

    十日目『稲生平太郎妖怪記』(『稲生物怪録』) - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
    Kitajskaya
    Kitajskaya 2021/10/31
    今回は前回と違い、SFの要素を取り入れたお話で、思うにこの作者は生まれる時代が早すぎた印象を受け、現代の作家と比較して遜色はないと感じました。頭が割れて赤ん坊が出てくるシーンはとてもシュールですね!!
  • 九日目『稲生平太郎妖怪記』(『稲生物怪録』) - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    何故か、九日目はこれまでに比べて記述が長いので、覚悟して読んでください(笑) (切腹したニセ亮太夫) (ニセ亮太夫の幽霊) 新日古典籍総合データベース ※この記事では、国文学研究資料館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています。 (CC BY-SA 4.0) ※画像は拡大できます。 【原文】 九日の夜ハ、四つ頃迄も何事無かりしに、ふと誰やらん訪れし故、「誰ぞ」と問へバ、「亮太夫《りやうだゆう》」と答《こと》ふ。 其れより戸明ケて、内に誘ひけり。 扨、亮太夫申す様ハ、「今宵ハ此の家の化け物退治すべしと思ひ、兄影山彦之助、家に持ち傳へし有名の刀取り出し、持参せし」由、語りし内に、何やらん円《まど》かなる物転び入りし故、亮太夫、右の刀にて追ひ詰め/\せしが、終《つひ》に切り附けしと見えて、忽《たちま》ちに火花を散らしぬ。 其れより平太郎ハ灯り持ち行き見れば、石臼《いしうす》也。 然れバ、刃

    九日目『稲生平太郎妖怪記』(『稲生物怪録』) - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
    Kitajskaya
    Kitajskaya 2021/10/31
    今回のお話は読みごたえがありました。まるで現代のサスペンスドラマを見ているようで、妖怪と平太郎の心理戦はハラハラ・ドキドキの展開でした。江戸時代にもこういう時代を先取りした作家がいたことには驚きです。
  • 八日目『稲生平太郎妖怪記』(『稲生物怪録』) - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~

    (暴れまわる塩俵と足駄) 新日古典籍総合データベース ※この記事では、国文学研究資料館所蔵品の画像データを適時加工して利用しています。 (CC BY-SA 4.0) ※画像は拡大できます。 【原文】 翌、八日の夜は、一家の者両人来たり、俳諧の物語などし居けるに、其の折しも、塩俵弐ツ三ツ席中を立ち廻り、はら/\塩を降らしける。 三人は目も離さで見る内に、足駄《あしだ》一足急に[飛び]来たり、襖《ふすま》を突き破り、外に[飛び]出ぬ。※[脱字]を補いました。 両人は氣を失ひし心地せしが、やがて暇《ゐとま》を乞ひ帰りけるとなり。 【現代語訳】 翌、七月八日は、平太郎の一族の者が二人来ました。 俳諧の話などをしているちょうどその時、塩俵が二つ三つ現れ、その場を暴れまわって、パラパラと塩を降らせました。 三人が目も離さずにその様子を見ていると、今度は足駄《あしだ》[高下駄《たかげた》]が一足、急に

    八日目『稲生平太郎妖怪記』(『稲生物怪録』) - うきよのおはなし~江戸文学が崩し字と共に楽しく読めるブログ~
    Kitajskaya
    Kitajskaya 2021/10/31
    部屋に塩が降ったり、高下駄が飛んでくるなどのポルターガイストにはその場に居合わせた人は恐怖に慄くでしょうね。今回は北見花芽さんの解説が妙を得て感服いたしました。確かに清めの塩は効きそうにないですね。
  • カボチャのランタンの巻 ~妙なのミョウ・ガール36~ - 魅惑的!お煎チ~ズ!

    youtu.be ◆「ほしい物リスト」「メールフォーム」等へのリンクはサイドバーにあります♪ ◆インフォメーション 井原西鶴の大著、『男色大鑑』の一般向けの現代語訳が発売されました♪ 北見花芽(きひみハマめ)の中の人もちょっと書いてるので、興味のある方も無い方も、下のアマゾンリンクから、お買い求めくださると狂喜乱舞します♪ ※ 書店で買っても、北見花芽の中の人には直接お金が入らないので何卒。 全訳 男色大鑑〈武士編〉 作者: 染谷智幸,畑中千晶,佐藤智子,杉紀子,濵口順一,浜田泰彦,早川由美,松村美奈,あんどうれい,大竹直子,九州男児,こふで,紗久楽さわ 出版社/メーカー: 文学通信 発売日: 2018/12/10 メディア: 単行 この商品を含むブログを見る 全訳 男色大鑑〈歌舞伎若衆編〉 作者: 染谷智幸,畑中千晶 出版社/メーカー: 文学通信 発売日: 2019/10/21 メデ

    カボチャのランタンの巻 ~妙なのミョウ・ガール36~ - 魅惑的!お煎チ~ズ!
    Kitajskaya
    Kitajskaya 2021/10/31
    久しぶりのミョー・ガールさんとカボちゃんのコラボ、待っていました。ハロウィンがカボちゃんの元旦の発想にはさすがと思いました。纏っているのマグロを見て何故だかシュールリアリズムの画家を思い出しました。
  • 2022年きひみハマめカレンダー - 魅惑的!お煎チ~ズ!

    お待たせしました! え?待ってない?(笑) 毎年恒例の、きひみハマめカレンダー、2022年バージョンが完成しましたヾ(๑╹◡╹)ノ" 2011年から作成していますが、あえて、シンプルイズベストのデザインを当初からほぼ変更せずに勝負しています!(笑) 手抜きではありません!(笑) 毎年使ってくださる方もいらっしゃって、ありがたいことです♪ あ、5月3日が目立ってるのは、私の誕生日だからです(笑) 【1月:かっぱえんじぇる、2月:タコカイナ】 【3月:リュウグウノツカイくん 、4月:せんぬきお】 【5月:ミョウ・ガール、6月:グラサンオカメインコ】 【7月:ビール妖怪、8月:ミョーナス】 【9月:ケトル人、10月:カボちゃん】 【11月:三つ目、12月:タイやヒラメ】 キャラクター名に関連ページへのリンクを貼っておきましたので、興味のある方はどうぞヾ(๑╹◡╹)ノ" もし、間違いがあったらお教

    2022年きひみハマめカレンダー - 魅惑的!お煎チ~ズ!
    Kitajskaya
    Kitajskaya 2021/10/31
    カレンダー、もうそんな季節なんですね。今年同様に来年も素敵なキャラクターたちですね。私の誕生月は12月ですが、来年こそは私生活も鯛や平目さんのように豪勢にいきたいと願っております。多分無理かな!?
  • 聴き比べ ウッディ・ウーとアリス『今はもうだれも』 - Flying Skynyrdのブログ

    今日の「聴き比べ」はウッディ・ウーの『今はもうだれも』です。 この曲はウッディ・ウーよりもアリスのヒット曲としての方が知られているかもしれません。 ウッディ・ウーは杉田二郎らと活動していた佐竹俊郎が結成したバンドです。1969年にこの曲をリリースしてそこそこ売れました。 1975年にアリスがカバーしてヒットしました。それまでほとんど売れていなかったアリスの最初のヒット曲となりました。矢沢透の編曲がよかったのかもしれません。時代はフォークからニューミュージックへと変わっていたのです。 今はもうだれも 作詞:佐竹 俊郎 作曲:佐竹 俊郎 今はもう誰も 愛したくないの 何もかも無くした 今の僕に出来る事 淋しさだけが じっとしている 止めど流るる涙に ひとつひとつの 思い出だけが 今はもう誰も 愛したくないの 今はもう誰も 愛したくないの 何もかも無くした そんな僕に出来る事 愛されたくて みん

    聴き比べ ウッディ・ウーとアリス『今はもうだれも』 - Flying Skynyrdのブログ
  • 聴き比べ 『ガラスの部屋』 - Flying Skynyrdのブログ

    今日の「聴き比べ」は1970年に日公開されたイタリア映画『ガラスの部屋』の主題歌です。 監督はセルジオ・カポーニャ。主演のレイモンド・ラブロックはこの映画が初主演で、若い女性ファンが急増しました。すごく話題になったのを記憶しています。映画の内容はほとんど憶えていません。若い男2人と女1人の三角関係だったと記憶しています。 映画の内容より、この主題歌が記憶に残っています。結構ヒットしたのではないかと思います。歌ったのはペピーノ・ガリアルディです。イタリアの歌手です。 後にお笑いの「ひろし」のテーマソングになりました。 ガラスの部屋 作詞:Gaetano Amendola・Roberto Murolo 作曲:Gaetano Amendola・Roberto Murolo Che vuole questa musica, stasera, che mi riporta un poco del

    聴き比べ 『ガラスの部屋』 - Flying Skynyrdのブログ