バブル崩壊後、消滅の危機に瀕していた「新宿ゴールデン街」が、ここ数年劇的な復活を果たしている。特に目立つのは外国人観光客の姿だ。なぜいま外国人に人気なのか。『「夜遊び」の経済学』(光文社新書)の著者・木曽崇氏が、「ナイトエコノミー」という観点から分析する――。 外国人は六本木・渋谷ではなく新宿ゴールデン街へ行く 現在、首都圏の夜の街で最も外国人観光客たちを魅了している街はどこか。 六本木でも渋谷でもなく、間違いなく新宿ゴールデン街である。ゴールデン街は、新宿区歌舞伎町の外れに位置する約3万平方mの区画。その区画に4.5坪程度の店舗面積の極小飲食店、約200店舗が軒を連ねる新宿きっての超過密エリアである。 この街は特に高度成長期からバブルにかけて東京の代表的な繁華街のひとつとして知られるようになり、この地域に複数軒あった「文壇バー」と呼ばれるバーでは、夜な夜な日本を代表する文化人たちがあつま