コスモス―他 (東欧の文学)posted with amazlet at 08.07.20ヴィトルド・ゴンブロヴィッチ 工藤 幸雄 恒文社 売り上げランキング: 120973 Amazon.co.jp で詳細を見る 引き続き、『現代東欧文学全集』に収められたブルーノ・シュルツの『クレプシドラ・サナトリウム』を。こちらは、全13編あるうちの7編のみの翻訳となっているのだが、残りの6編がものすごく読みたくなるような素晴らしい短編群だった。ますます、早く平凡社ライブラリの「全集」を買わねば、と思う。 全体の雰囲気や状況設定は、『肉桂色の店』のものを踏襲しており、「わたし」の目に映った奇妙な幻想を綴ったものとなっているのだが、表題作の「クレプシドラ・サナトリウム」という一編が特別に面白い。 シュルツの作品では、「わたし」の「父」がとる狂気じみた行動がひとつの中心的な主題として描かれているのだが、こ