前回に引き続き、ICTとポストモダンなエコノミーとの関係をもう少し考えてみよう。 企業におけるICT投資は、きわめて大きくいうと3つの領域への投資といえよう。その第一は、企業と企業とを結ぶネットワークである。企業は、各種資源や材料や部品や商品を他の企業から入手をし、それに様々な付加価値を付け加えて顧客に販売することで儲けていくのであるから、企業間取引のコストをどれだけ下げられるかが大きな経営課題である。これを実現するICTシステムを、SCMと呼び習わしている。第二は、企業は最終的には、顧客に自商品を販売するのであるから、顧客情報と商品情報をマッチングさせて付加価値を得るのである。これは、CRMと呼ぶのが一般化している。第三は、限られた内部資源の制約を前提としてこの2つのICTシステムを最適化しながら、組織内でコミュニケーションを通じて企業価値を高めようとしているのである。 上記のようないわ