■副読本全体としての問題点■ ①:今、何故放射線についての知識がこどもたちに必要なのか、という問題意識が希薄、というより、ほとんど欠落しています。この副読本では、放射線の効用やメリットについては非常に細かいことまで書いてあるのに、放射線の危険性や悪影響についてはほとんど書いていません。例えば、電離作用の説明には工業での利用が書いてあっても、DNAを傷つけることが書いてありません。ほとんどの高校生は理科で分子の結合についてや遺伝について学習するにもかかわらず、これでは放射線が生物に影響する基本を理解することができません。まるで、本当のことを教えることを避けているかのようです。 今、福島原発事故によってまき散らされた膨大な放射性物質にさらされて生活しているこどもたちに必要なのは、放射線のメリットに関する知識ではないはずです。 今何故この時期に放射線に関わる教育が必要なのかという、具体的な問題意