「IT分野,特にソフト分野で日本の開発力が衰えている。どうすればよいか」――。IT Proでたびたび話題になり,読者の関心も高いテーマである(関連記事1,関連記事2)。記者はオープンソース・ソフトウエアを専門にしているので,その視点から,最近の取材でオープンソースが日本のソフトウエア開発力の向上につながると感じたエピソードをいくつかご紹介したい。 最前線で世界のライバルと技術を競う 先週開催されたオープンソースカンファレンス2005(関連記事)でこんな言葉を聞いた。「正直言って以前は,自分はそれほどアーキテクトとして優れていたわけではなかったと思うが,ソフトウエアの開発を行う中で成長できた。技術的に“階段を上った”と思う瞬間があった」(Seasarプロジェクトの栗原傑享氏) Seasarプロジェクトは,JavaによるオープンソースのDI(Dependency Injection)コンテナS