引退セレモニーで仲間に囲まれるファイヤー原田(写真前列中央)。2003年のプロデビューから約8年、37歳で現役生活に幕を閉じた キックボクシング団体J-NETWORKの後楽園大会で、ファイヤー原田の引退セレモニーが行なわれた。 彼の名前を知らない人も多いことだろう。最高位はライト級1位。チャンピオンベルトを巻いたことはなく、戦績も13勝15敗3分(7KO)と負け越している。決して一流のファイターではなかったから、異例の引退式といっていい。だが、会場に足を運んだ者に“異例”という感覚はなかったはずだ。戦績、すなわちデータ以上のものを、観客の心に残したからである。キック界の“主役”になることはなかったが、脇役にも人生があることを彼は示し続けた。努力を続けた人間には、必ず居場所があることを証明してみせた。 観客の心を揺さぶる、感情丸出しの熱血漢。 リングネームの通り、とにかく熱い男だった。入場曲