奈良県がスイスのフォレスター・ロルフ・シュトリッカー氏を招聘して開いた「欧州型森林管理者研修」。 現場研修だけではなく座学もあったのだが、そこで行われた講義のうち、ここでは「コミュニケーション」について取り上げたい。 フォレスターという仕事の中でもっとも重要なスキルは、コミュニケーション能力だという。森林所有者や役所、木材の販売先、そして林業作業員……多くの人と意思疎通ができないと仕事は進まないからだ。フォレスター学校のカリキュラムにも「森林コミュニケーション」の時間が多数あった。 たとえば森林所有者を対象にすると、施業内容を受け入れてもらったり、道を入れたりという事象が必要となる。また所有者からは自分の持ち山の木を伐りたい、といった要望も寄せられる。 ロルフ氏は、これらの交渉ごとにどのように取り組んでいるのか。 「こちらの意見を伝えるのに、専門的な知識から攻める……のはダメ」 初っぱなの