単位系 人間には先のことはわからないので、「もっと後の時代に生まれていれば」と思うことはあまりない。しかし、単位系に関してだけは、「もっと後の時代に生まれていれば」と思う。SI単位系に統一された世界は今よりだいぶ面白いはずだ。 単位系の統一は、ゆっくりとだが着実に進んでおり、きわめて稀にしか後退しない。もっとも手ごわい抵抗勢力はヤード・ポンド法だが、あと300年もすれば駆逐されているはずだ。 単位系が統一されると、どう面白いか。 たとえば、仕事率(電力)と仕事(熱量・エネルギー・電力量)には、以下のような単位が主に使われている。 ・馬力(仕事率) ・ワット(仕事率・電力) ・ワット時(電力量) ・カロリー(熱量) ・ジュール(仕事・熱量・エネルギー・電力量) ・TNT火薬トン(エネルギー) これがSI単位系では、ワットとジュールに統一される。そして1ワット秒が1ジュールだ。じつにわかりやす