稀代のアニメーター・金田伊功氏が先日亡くなった。その偉業を称え、今こそ脚光を当てたいエピソードがある。多くのアニメファンが抱いている誤解を解き、黒歴史的OVA『バース』の闇を払拭する一助になればと思う。 「彼の作画は好きだ。でも、金田伊功が全力投球したOVA『BIRTH』には付いていけなかった」と顔をしかめる方は多いと思う。だが、大丈夫。作った本人も、満足していなかったのだから…。 ビデオソフト『BIRTH』の発売が1984年8月21日。その翌月、『アニメージュ』10月号(9月10日発売)には、早くも『BIRTH』を「失敗作」と認めたインタビューが掲載されている。 (←クリックで拡大) 当初、この作品は60分のビデオ作品だったが、金田作品なら映画館にもかけようじゃないか(※)。それには60分は短い。80分にしよう。ということで80分作品になったという。けれど、制作日程は諸問題があって、