東日本大震災の被災県では、統一地方選での選挙カー自粛の動きが広がっている。被災者感情や燃料不足に配慮するためだ。「こういう時だから仕方がない」「でも、有権者のみなさんに政策を訴えられない」。立候補予定者からは賛否が入り交じり、複雑な思いも聞かれる。 岩手県は特例法で県議選など15選挙が延期されたが、市町長選、町議選(4月24日投開票)など6選挙は予定どおりだ。28日の矢巾(やはば)町長・町議選立候補予定者説明会では現職の町議有志が「選挙カーの使用自粛の申し合わせ」という文書を出席した19陣営に配った。昼の一部時間帯と午後6時以降には使わないことや、候補者名を連呼しないことなどを提案している。軽米(かるまい)町議選でも町議会議長が選挙カーの利用制限を提案した。6選挙のうち、ほかの選挙でも自粛の動きがあるという。 だが、立候補予定者は困惑する。「政策を訴えずにどうやって選んでもらうのか。選