三重県いなべ市で捕獲されたツキノワグマを県職員が滋賀県内に連絡せずに放し、10日後に滋賀県多賀町で女性がクマに襲われた問題で、三重県は23日、DNA鑑定の結果、2頭は別々のクマだと発表した。三重県はこれまで「放獣したクマが襲った可能性がある」としてクマを捕殺する方針だったが、改めて24日に関係自治体と対応を協議する。 クマは5月17日、いなべ市北勢町の山中で、イノシシ用のおりに誤捕獲された。三重県職員は発信器をつけ、14キロ西の多賀町の山中に滋賀県の許可を得ないままクマを放した。その6キロ南西で5月27日、女性(88)がクマに襲われて大けがをした。 三重県は、放獣したクマの血液と、女性が襲われた場所に落ちていたクマの体毛を使って、2頭が同じクマかどうかを確認するためにDNA鑑定を依頼した。国立研究開発法人・森林総合研究所の鑑定結果によると、二つの個体は遺伝子型が異なり、別個体と判明した。